「親から山林を相続したが、遠方で管理できない」
「固定資産税を払うだけで、何の利益も生まない」
「正直、タダでもいいから手放したい……」
あなたは今、このような悩みを抱えていませんか?
実は、当サイト「FOREST ASSET」が実施した山林所有者100名へのアンケートでも、所有者の約7割が「資産」ではなく「負担(負動産)」と感じていることがわかりました。
この記事では、業界歴30年の不動産専門家が、費用をかけずに山林を処分するための5つの方法を、メリット・デメリットと共に徹底解説します。
「有料で処分する」その決断をする前に、ぜひ一度目を通してください。意外な解決策が見つかるかもしれません。
▼ この記事の内容
- 1. なぜ「山林の処分」はこんなに難しいのか?
- 2. 山林を手放すための5つの方法【徹底比較】
- 3. 方法①:不動産会社・買取業者への売却
- 4. 方法②:相続土地国庫帰属制度の利用
- 5. 方法③:自治体への寄付
- 6. 「処分」する前に!実はその山、価値があるかも?
なぜ「山林の処分」はこんなに難しいのか?
「宅地ならすぐに売れるのに、なぜ山林は売れないのか?」
その理由は、山林特有の3つのハードルにあります。アンケートでも、以下の理由で「手放すのを諦めた」という声が多く聞かれました。
境界が不明確
隣地との境界杭が見つからず、測量には数百万円の費用がかかることも。
管理責任の重さ
所有者には管理責任があり、土砂崩れや倒木で被害が出れば賠償責任も。
需要の限定性
家が建てられない、インフラがない土地は、一般的な市場では敬遠されます。
しかし、諦める必要はありません。正しいルートを選べば、手放すことは可能です。
山林を手放すための5つの方法【徹底比較】
山林を処分・手放すための主な方法は以下の5つです。それぞれの費用感と難易度を比較表にまとめました。
| 方法 | 費用負担 | 難易度 | おすすめ度 |
|---|---|---|---|
| 1. 買取業者への売却 | +収益の可能性 | 低〜中 | ◎ |
| 2. 国庫帰属制度 | 約30万円〜 | 高(審査厳格) | △ |
| 3. 自治体への寄付 | ほぼ無料 | 極めて高 | ✕ |
| 4. 有料引取サービス | 数十万〜数百万 | 低 | ○ |
| 5. 隣地への贈与 | 贈与税など | 相手次第 | △ |
方法①:不動産会社・買取業者への売却(推奨)
最もおすすめなのが、山林専門の不動産会社や買取業者への売却です。
ここがポイント
一般的な不動産会社では断られますが、「山林専門」の業者であれば、キャンプ用地や木材資源として価値を見出してくれる可能性があります。「タダでもいい」と思っていた土地に、数百万円の値がつくケースも珍しくありません。
メリット
- 現金化できる可能性がある(マイナスにならない)
- 所有権移転の手続きをプロに任せられる
- 境界不明でも現状有姿(そのままの状態)で買い取ってくれる業者がいる
デメリット
- あまりに奥地や急傾斜地など、条件によっては断られる場合がある
方法②:相続土地国庫帰属制度の利用
2023年から始まった新制度です。相続した不要な土地を国に引き取ってもらうことができます。
「国が引き取ってくれるなら安心!」と思われがちですが、審査要件が非常に厳しく、負担金(10年分の管理費相当額など)がかかる点に注意が必要です。
引き取ってもらえない土地の例
- 建物がある土地
- 境界が明らかでない土地
- 勾配が急な崖地がある土地
- 通路など他人による使用が予定される土地
山林の場合、「境界が不明確」「崖がある」というケースが多く、実際に審査を通過するのは容易ではありません。
方法③:自治体への寄付
「市町村に寄付したい」と考える方も多いですが、これは最もハードルが高い方法の一つです。
自治体にとって山林の寄付を受けることは、「固定資産税収がなくなる」上に「管理コストが増える」ことを意味します。そのため、公園用地や公共事業の予定地など、行政側に明確な利用目的がない限り、寄付を断られるケースがほとんどです。
「処分」する前に!実はその山、価値があるかも?
ここまで読んで、「やっぱりお金を払って処分するしかないのか…」と落ち込んでいませんか?
ちょっと待ってください。その山林、あなたが思っている以上の価値があるかもしれません。